季刊誌
福島県を中心としたお酒と食の新たな可能性と発見をめざして、
風土を慈しみ、味わい、暮らしの中に豊かさを提案していく、
福島県とその周辺の魅力を伝える世界標準ナビゲーションメディア。
cover story

蜂蜜の歴史は人類の歴史
The history of honey is
the history of mankind.
「蜂蜜の歴史は人類の歴史」とはイギリスのことわざ。蜂蜜がはるか昔から人間の生活の身近にあったことを意味しています。ギリシア神話にも養蜂の神が登場し、紀元前のスペインや南アフリカなどの洞窟遺跡には、蜂蜜を採取する様子を描いた壁画も見られます。日本でも蜂蜜は古くから薬として重用され、平安時代には藤原道長が、牛乳から作った「蘇(そ)」に蜂蜜を加えた「蘇蜜」を好んで食べていたといわれています。日本で養蜂が始まったのは明治時代に入ってから。それまでは山中や岩場にある巣から火や煙で蜂を追い払って蜜を採るという、大変危険な作業を強いられていたそうです。
photograph by Tsukada Naohiro
photograph by Tsukada Naohiro
FEATURE 1
神秘を味わう、
蜂蜜のお酒ミード。
ミードの世界を知る、味わう、感じる!
神秘を味わう、
蜂蜜のお酒ミード。
ミードの世界を知る、味わう、感じる!
FEATURE 1
神秘のお酒ミード酒とは
ミードは、蜂蜜と水に酵母菌を加えて発酵させて造る醸造酒。その歴史はワインやビールよりも古く14,000 年以上前には存在していたそうで、「人類最古の酒」と呼ばれています。記録に残っているものとしては、5,000 年以上前のインドのヒンドゥー聖典に登場しており、その後はローマの英雄ジュリアス・シーザーも、バイキングもミードを飲んでいたといいます。また、ゲルマン人の習慣では婚礼後1カ月間、新婦がミードを造り、それを新郎と仲良く飲む風習があったそうで、そのようなところから、ミードが「Honeymoon(ハネムーン、蜜月)」の語源になったともいわれています。アルコール度数はワイン並みで、すっきりしたドライタイプから甘く濃厚なタイプ、さらにスパークリングまでさまざま。歴史や言い伝えなどから、結婚披露宴や記念日などにミードを、という方もいらっしゃるそうですし、贈答品にも、もちろん家庭用にもおすすめです。
今回は国内で製造されているミードと、編集部でセレクトした料理とのペアリングをご紹介しています。ミードは飲んだことがないという方も、この機会にぜひ試してみてはいかがでしょうか。


2005年、国内ミードの先駆けとして発売。クセがなく爽やかな香りが特徴のれんげ蜂蜜を使用。ビタミン・ミネラルなど豊富な蜂蜜の栄養素を含有。クレオパトラも蜂蜜を愛用したという言い伝えから名付けられた。


菊水酒造
アルコール分11%
500ml 1,320 円

国産の蜂蜜は日本全体の5%に過ぎず、大変貴重なもの。その中で会津に自生する栃の花の蜜を使用。さらに濃度が高い高品質のものをと、朝絞りにもこだわる。高級ワインのようなキレ味と、さわやかな甘味と酸味が特徴。


峰の雪酒造場
アルコール分11%
520ml オープン価格


会津の標高600 ~ 800mの山中に自生する栃の花の蜂蜜と、安達太良山の伏流水から生まれたミード。蜂蜜本来の味わいを活かすため、アルコール分を5%に抑え、華やかな香りと上品な味わいが楽しめる。後味もスッキリ。


奥の松酒造
アルコール分5% 500ml 3,300 円

オレンジの花の蜂蜜と秩父産蜂蜜をブレンド。やさしい甘みと蜂蜜と柑橘の香り、そして後味のキレが特徴。無濾過タイプなので蜂蜜の養分が濃く、旨味も濃厚。「ピーチミード」とともに、2024 年登場。


ディアレットフィールド醸造所
アルコール分10% 500ml 1,320 円

南国蜂蜜と国産蜂蜜をブレンド。さらにピーチと5種のハーブを配合した、甘口のミード。蜂蜜本来の香りとピーチ香、程よい酸味でさらりと澄んだ喉ごしが味わえる。キンキンに冷やして飲むのもおすすめ。


ディアレットフィールド醸造所
アルコール分10% 500ml 1,320 円


2005年、国内ミードの先駆けとして発売。クセがなく爽やかな香りが特徴のれんげ蜂蜜を使用。ビタミン・ミネラルなど豊富な蜂蜜の栄養素を含有。クレオパトラも蜂蜜を愛用したという言い伝えから名付けられた。

菊水酒造
アルコール分11%
500ml 1,320 円



国産の蜂蜜は日本全体の5%に過ぎず、大変貴重なもの。その中で会津に自生する栃の花の蜜を使用。さらに濃度が高い高品質のものをと、朝絞りにもこだわる。高級ワインのようなキレ味と、さわやかな甘味と酸味が特徴。

峰の雪酒造場
アルコール分11%
520ml オープン価格



会津の標高600 ~ 800mの山中に自生する栃の花の蜂蜜と、安達太良山の伏流水から生まれたミード。蜂蜜本来の味わいを活かすため、アルコール分を5%に抑え、華やかな香りと上品な味わいが楽しめる。後味もスッキリ。

奥の松酒造
アルコール分5%
500ml 3,300 円



オレンジの花の蜂蜜と秩父産蜂蜜をブレンド。やさしい甘みと蜂蜜と柑橘の香り、そして後味のキレが特徴。無濾過タイプなので、蜂蜜の養分が濃く、旨味も濃厚。「ピーチミード」とともに、2024 年登場。

ディアレットフィールド
醸造所
アルコール分10%
500ml 1,320 円



南国蜂蜜と国産蜂蜜をブレンド。さらにピーチと5種のハーブを配合した、甘口のミード。蜂蜜本来の香りとピーチ香、程よい酸味でさらりと澄んだ喉ごしが味わえる。キンキンに冷やして飲むのもおすすめ。

ディアレットフィールド
醸造所
アルコール分10%
500ml 1,320 円

FEATURE 2
全国的にも早くからミード開発に成功
さまざまな可能性にも取り組む
峰の雪酒造場
全国的にも早くから
ミード開発に成功
さまざまな可能性にも
取り組む
峰の雪酒造場
FEATURE 2
福島県内で15年以上前からミード造りを手掛ける酒蔵「峰の雪酒造場」。
蔵は、昭和17年に大和錦(今は廃業)から分家し、
現在は「大和屋善内」などの清酒を中心に、
ミードや、日本酒の二段階発酵と果汁のアルコール発酵を組み合わせた
「ハツユキソウ」などを製造しています。
今回は、ミード製造を始めたきっかけや、その可能性などについて、
代表取締役の佐藤健信さんにお話を伺いました。
福島県内で15年以上前からミード造りを手掛ける酒蔵「峰の雪酒造場」。
蔵は、昭和17年に大和錦(今は廃業)から分家し、
現在は「大和屋善内」などの清酒を中心に、
ミードや、日本酒の二段階発酵と
果汁のアルコール発酵を組み合わせた
「ハツユキソウ」などを製造しています。
今回は、ミード製造を始めたきっかけや、
その可能性などについて、
代表取締役の佐藤健信さんにお話を伺いました。

佐藤健信さん。2011年からは杜氏も担う

蔵にずらりと並ぶ日本酒の貯蔵タンク
峰の雪酒造で製造しているミードは、会津に自生する栃の花の蜜をベースに、峰の雪の日本酒同様、飯豊山の伏流水で仕込まれます。ミードは、さすがに古代より造られているだけあって、造り方はとてもシンプル。ハチミツそのままでは発酵しないので、水を加え、日本酒の酵母で1 カ月ほど発酵させるそうです。その後濁りを沈殿させれば、見た目も清々しいミードのできあがりです。発売した「美禄の森」は、その後全国でも注目されるようになりました。
現在、峰の雪のミードは、その可能性を探るべく様々な挑戦を続けています。たとえば原料のハチミツを変えてみたり、ウイスキー樽で熟成を行ったり。また、製造方法にも変化を加えたりと、シンプルなだけにさまざまな可能性を秘めていると佐藤さん。「あまりお酒を飲まない人にとって、ミードを知ることでお酒を好きになるきっかけになるような、そんなお酒を造っていきたい」と話してくれました。

佐藤健信さん。2011年からは杜氏も担う

蔵にずらりと並ぶ日本酒の貯蔵タンク

「MEET MEAD Bochet」
古代フランスのミード製造法を採用。
バニラの風味。
「MEET MEAD STANDARD」
会津産栃のハチミツを使用した
峰の雪のミードの基本形。
「МEET MEAD Bodaiju」
北海道の菩提樹の蜜を使用。
コクと上品な香り。
「MEET MEAD DRY」
会津産栃のハチミツを使用。
スタンダードな味を辛口に仕上げた。
全て375ml オープン価格 ※各720ml もあり

峰の雪酒造場
喜多方市字桜ガ丘1 丁目17
0241-22-0431
http://www.minenoyuki.com/