季刊誌
福島県を中心としたお酒と食の新たな可能性と発見をめざして、
風土を慈しみ、味わい、暮らしの中に豊かさを提案していく、
福島県とその周辺の魅力を伝える世界標準ナビゲーションメディア。
cover story
ジンの誕生、洗練、栄光
What’s Gin ?
ジンは16 世紀のオランダで、麦などの穀物から作られた蒸留酒にジュニパーベリーの香りを付けた薬用酒として誕生しました。その後イギリスにわたり「ジン」の名で定着、大流行を巻き起こしたそうです。規制によって人気は下火になったものの、連続式蒸留機の発明により「ドライ・ジン」が登場。さらにアメリカでカクテルベースとして高い評価を受けるようになります。そんなジンの歴史は「ジンはオランダ人が生み、イギリス人が洗練し、アメリカ人が栄光を与えた」と評されています。
photograph by Tsukada Naohiro
photograph by Tsukada Naohiro
FEATURE 1
今、飲み頃のジャパニーズ・クラフト・ジンを知る
そして、味わう!
今、飲み頃の
ジャパニーズ・クラフト・ジンを
知る
そして、味わう!
FEATURE 1
爽やかな辛口の蒸留酒。
ウォッカ、テキーラ、ラムと並ぶ
世界4大スピリッツの1 つに数えられます。
近年、日本ならではの素材を使った
「ジャパニーズ・クラフト・ジン」が
次々に誕生し、
注目を集めています。
小規模ながら地元のボタニカルを使用するなど、
個性豊かな香りや味わいが楽しめる
ジャパニーズ・クラフト・ジン。
今回はおすすめの商品をご紹介するとともに、
福島県川内村でジンの製造を行う
「ナチュラディスティル川内村蒸溜所」を
訪ねてきました。
新時代を迎えるクラフト・ジン5 選
Bar & Cafe Herbalist の
新田さんが選ぶ
ジャパニーズなオススメ!
郡山市で「Bar & Café Herbalist」を営む新田一也さん。ハーブや季節のフルーツを組み合わせたミクソロジーカクテルや自家製ノンアルジンを作り、ジンの製品開発の監修にも携わっています。そんな新田さんに、注目すべきジャパニーズ・クラフト・ジンをご紹介いただきました。
6種の和素材が
バランスよく香る
さすがの味わい
ジャパニーズクラフトジン
ROKU〈 六〉
「さすがはサントリーさん」と言いたくなるような、バランスのとれたジンらしいクラフトジン。日本らしさを感じさせる6種の和素材を使用しており、桜やお茶由来の香りとともに、ジュニパーベリーのジンらしい味わいが楽しめます。また、ソーダなどで割ると、山椒のスパイシーな香りが引き立ちます。ジン初心者よりは、ある程度飲み慣れた方におすすめです。
オススメの飲み方
カットレモンやライム、柚子等の柑橘を少し加えたソーダ割り
700ml アルコール分47% 4,400 円
サントリー株式会社
主なボタニカル
桜花、桜葉、柚子、煎茶、玉露、山椒
減圧蒸留ならではの
フレッシュな香りで
積丹の大地を思う
北海道 積丹ジン
火の帆 KIBOU
約200 万年前に火山活動によって創られた積丹半島。大地の生命力あふれるボタニカルを「火」で抽出したジン。ジュニパーベリーやアカエゾマツ、フレッシュホップの爽やかな香りと、複数のボタニカルによる複雑で甘みがありスパイシーな味わいが特徴です。通常より低い沸点で蒸留する減圧蒸留ならではの、フレッシュできれいな香りを楽しんでほしい1 本です。
オススメの飲み方
ジントニック、ジンソーダ。より香りを楽しむには、ストレートやロックで
500ml アルコール分45% 5,940 円
株式会社積丹スピリット
主なボタニカル
アカエゾマツ、エゾヤマモモ、エゾミカン
日本酒由来の香りと
地元のボタニカルで
山梨の四季を感じる
GEEKSTILL
アムリタ 1- 3 -15
日本酒由来のライススピリッツをベースにボタニカルを個別に蒸留してブレンドするという手間のかかる製法で造られています。日本酒由来のまろやかな香りと甘みが特徴で、口に含むとブドウの香りが広がります。山梨産のボタニカルにより、山梨の四季やテロワールを感じることができます。豊富な商品ラインナップから、好みのボタニカルを探す楽しみも。
オススメの飲み方
ジントニック、ジンソーダ、水割り。日本酒やブドウの香りで食事との相性も◎
500ml アルコール分40% 4,950 円
株式会社 GEEKSTILL
主なボタニカル
ジュニパーベリー、ブドウの花、甲州・ベリーA のブドウの皮
日高昆布にラベンダー
北海道産ボタニカルが
シャープに香る
9148
#0101 STANDARD
北海道初のジンの蒸溜所として創業した紅櫻蒸溜所が、日高昆布や切り干し大根、干し椎茸等の他にはないうま味ボタニカルやラベンダーなど、北海道ならではのボタニカルを使用して製造。ボタニカルからのイメージとは異なり、ジュニパーベリーやラベンダーなどシャープできれいな香りとドライな口当たり、そして優しい味わいを感じることができます。
オススメの飲み方
ソーダ割り、お湯割り(昆布があれば入れる)
700ml アルコール分45% 6,380 円
紅櫻蒸溜所株式会社
主なボタニカル
日高昆布、レモンピール、ブルーベリー、切干大根、ラベンダー、干し椎茸
先駆者の技が冴える
京都生まれのジン
想像を超える味わい
ヤマレスト
オーディナリージン
ジャパニーズ・クラフト・ジンの先駆けである「季の美」を開発した元木氏が手掛けるジン。ワールドジンアワード2025 金賞を受賞。飲み飽きしない優しい香りと味わい、そして元木氏の技術を感じてほしい1 本です。他にラムネジンやGEISHA COFFEE、玉露等のラインナップもあり、それぞれ想像を超える驚きの味わいなので、ぜひ試していただきたいと思います。
オススメの飲み方
ジンと水1:1 のハーフロック、レモンを加えたジンソーダ
500ml アルコール分45% 4,950 円
Motoki 蒸研 株式会社
主なボタニカル
京ヒノキ、桜の葉、八女緑茶、瀬戸内レモン、山椒
Bar & Café Herbalist
ミクソロジーにモクテル
昼はスパイスカレー
好みの香りと味を楽しんで
夜はバー、昼は日替わりのスパイスカレーと飲み物が楽しめる店。オーセンティックなバーとは一線を画し、定番に加え自家製ハーブやフルーツを組み合わせた創作カクテルや、ノンアルコールのモクテルを提供。お酒が飲めなくても気軽にバーの雰囲気を味わえます。
Bar & Cafe Herbalist
郡山市朝日1-19 -7
TEL 024 - 983 -3056
営 月 水 金 11:30~14:00、19:00~24:00
火 木 土 祝日 18:00 ~ 24:00
休 毎週日曜日(連休の場合は最終日)
人気急上昇の蒸溜所を訪ねる
ナチュラディスティル
川内村蒸溜所
植物ごとに蒸留を分けるという丁寧な仕込みは、小さな蒸溜所だからこそできる
ボタニカルの中心となるかやの実。それぞれ個性のある香りを鮮明に感じることができる
かつては薬店の倉庫だった蒸溜所。阿武隈の山々に囲まれた静かな街並みに、小さな看板を掲げる
「川内村は人と人、人と自然の距離感が好き」と、代表取締役の大島草太さん。ボタニカルを求めて、一年中野山を駆け回っているという
日本ならではの
自然の繊細な香りを
ジンに込めて
naturadistill
固有種蒸溜酒
日本の森を思わせる凛とした香りに加え、ほのかに柑橘系の香りも感じられ、心安らぎ、気分を前向きにしてくれるような爽やかな味わいです。「寝る前に白湯に1滴たらして飲むと、アロマ効果で心地よく眠れます」と大島さん。代表作である固有種蒸溜酒の他、季節限定品として「naturadistill紫蘇忽布蒸溜酒」も登場。ホップの苦味と紫蘇の清涼感がおいしいと評判。
オススメの飲み方
ジントニック、炭酸割、緑茶割
500ml アルコール分47% 4,980 円
※ naturadistill 紫蘇忽布蒸溜酒は5,500 円
主なボタニカル
かやの実、橘、ジュニパーベリー、クロモジ、ニオイコブシ
aturadistill 川内村蒸溜所
双葉郡川内村上川内町分396 -2
https://naturadistill.com
ジンの可能性は無限大。地域振興にも貢献を
ナチュラディスティル川内村蒸溜所が誕生したのは2024 年11 月。代表取締役の大島草太さんは栃木県の出身。福島大学に在学中、授業の一環で訪れたことが川内村と出合いでした。その後酒の世界のおもしろさ、そして事業を通じたコミュニティーづくりの可能性に気づき、「ベースもボタニカルも選ぶことのできるジンは自由度が高い」と、ジンの蒸溜所を立ち上げました。この蒸溜所が使用するのは、かやの実や橘、ニオイコブシ、クロモジなど日本固有の植物。その中でも福島で収穫できるものを使用することで、復興にもつなげたいと考えています。蒸留はすべて減圧蒸留で行っていますが、それぞれのボタニカルによって加工方法や蒸留温度を変え、繊細な香りの違いを表現しています。緻密で大変な作業ですが、だからこそ個性や魅力を発揮できると手間を惜しみません。また、ここでは季節感をジンで表現したいと、梅花やシソ、柚子、ホップなど、年間を通じてさまざまなボタニカルを用いた商品も製造しています。さらにブレンドや熟成などジンの可能性は無限大に広がります。
「まずはジンの国内外での評価の確立を目指したい」と、大島さん。今後は蒸溜所2階にレストランバーをオープン予定、さらに将来的には村内外を回遊できるような観光ルートを展開し、ジンを通じて文化や地域資源を掘り起こす仕組みも作っていきたいと言います。ナチュラディスティル川内村蒸溜所の挑戦は続きます。
取材後記
人気急上昇の蒸溜所を訪ねる
ナチュラディスティル
川内村蒸溜所
日本ならではの
自然の繊細な香りを
ジンに込めて
naturadistill
固有種蒸溜酒
日本の森を思わせる凛とした香りに加え、ほのかに柑橘系の香りも感じられ、心安らぎ、気分を前向きにしてくれるような爽やかな味わいです。「寝る前に白湯に1滴たらして飲むと、アロマ効果で心地よく眠れます」と大島さん。代表作である固有種蒸溜酒の他、季節限定品として「naturadistill紫蘇忽布蒸溜酒」も登場。ホップの苦味と紫蘇の清涼感がおいしいと評判。
オススメの飲み方
ジントニック、炭酸割、緑茶割
500ml アルコール分47% 4,980 円
※ naturadistill 紫蘇忽布蒸溜酒は5,500 円
主なボタニカル
かやの実、橘、ジュニパーベリー、クロモジ、ニオイコブシ
aturadistill 川内村蒸溜所
双葉郡川内村上川内町分396 -2
https://naturadistill.com
植物ごとに蒸留を分けるという丁寧な仕込みは、小さな蒸溜所だからこそできる
かつては薬店の倉庫だった蒸溜所。阿武隈の山々に囲まれた静かな街並みに、小さな看板を掲げる
ジンの可能性は無限大。
地域振興にも貢献を
ナチュラディスティル川内村蒸溜所が誕生したのは2024 年11 月。代表取締役の大島草太さんは栃木県の出身。福島大学に在学中、授業の一環で訪れたことが川内村と出合いでした。その後酒の世界のおもしろさ、そして事業を通じたコミュニティーづくりの可能性に気づき、「ベースもボタニカルも選ぶことのできるジンは自由度が高い」と、ジンの蒸溜所を立ち上げました。この蒸溜所が使用するのは、かやの実や橘、ニオイコブシ、クロモジなど日本固有の植物。その中でも福島で収穫できるものを使用することで、復興にもつなげたいと考えています。蒸留はすべて減圧蒸留で行っていますが、それぞれのボタニカルによって加工方法や蒸留温度を変え、繊細な香りの違いを表現しています。緻密で大変な作業ですが、だからこそ個性や魅力を発揮できると手間を惜しみません。また、ここでは季節感をジンで表現したいと、梅花やシソ、柚子、ホップなど、年間を通じてさまざまなボタニカルを用いた商品も製造しています。さらにブレンドや熟成などジンの可能性は無限大に広がります。
「まずはジンの国内外での評価の確立を目指したい」と、大島さん。今後は蒸溜所2階にレストランバーをオープン予定、さらに将来的には村内外を回遊できるような観光ルートを展開し、ジンを通じて文化や地域資源を掘り起こす仕組みも作っていきたいと言います。ナチュラディスティル川内村蒸溜所の挑戦は続きます。
ボタニカルの中心となるかやの実。それぞれ個性のある香りを鮮明に感じることができる
「川内村は人と人、人と自然の距離感が好き」と、代表取締役の大島草太さん。ボタニカルを求めて、一年中野山を駆け回っているという
取材後記